役の分類②

2020年3月22日

前回は役の分類方法について述べました。

今回は綾目麻雀の分類について語っていきます。

綾目麻雀の分類

さてさて、綾目麻雀での分類についてです。

もし麻雀の解説を書くとすれば、翻数による分類は外せません。

確率順も初心者に易しいですから、翻数別の次に紹介しておくとよいかと思います。ただし、確率のデータは信頼できるものであるべきです。

重複が問題となる五十音順は分類としてではなく、麻雀用語一覧として掲げておくくらいでよさそうです。検索すればほとんどのことがとても簡単に見つかる時代ですから、麻雀用語一覧もそれほど需要がないかもしれません。

すでに前回の記事「役の分類①」で定義した分類はもちろん綾目麻雀の役でも適用できます。

でも、「Aである役」か「Aではない役」か、といった分類は比較的明確である一方、48種類ある役全体を2分するだけで、俯瞰することができていません。

綾目麻雀の系列

そこで、綾目麻雀では上記で定義されたものを整理し「系列」として分類し、それをルールに記載しようと考えています。

その系列による分類は次の6つで構成されています。

  • 基本系列
  • 全体系列
  • 隣接系列
  • 字牌系列
  • 行為系列
  • 偶然系列

人が一度に覚えられる量は7つまでといわれています。分類が6つなのは、初心者が一度に覚えられるようにという配慮でもあります。

それぞれについて説明していきます。

基本系列

系列に「基本」があるとしたら、それは何でしょうか。

麻雀の基本を考えると、その一つは4面子1雀頭を集めることです。ここでいう面子とは、順子又は刻子のことであり、雀頭とは対子のことです。したがって、麻雀の基本の一つは順子又は刻子を4組と対子を1組集めることだと言えます。

これを系列の「基本」の手がかりとしましょう。

「順子又は刻子を4組と対子を1組」を分解して、順子、刻子、対子と独立させます。そしてそれぞれの1種類を1組以上集まったものを基本集合であるとします。

例えば、順子が3組集まったものは基本集合です。対子が1組だけのものも基本集合です。

これだけでは単純すぎるので、2つだけ追加させてください。

1つ目は暗順子と暗刻子です。これを加えると、例えば順子4組、そのうち2組が暗順子である状態は、順子4組の基本集合とも、暗順子2組の基本集合とも取れます。

2つ目は同じ牌4枚です。これは、現代のリーチ麻雀には存在し、綾目麻雀では廃止された槓子と類似するものです。やや強引ですが、同じ牌4枚あればそれは基本集合であると考えます。槓子と違って同じ牌4枚であるため、その4枚それぞれが順子、刻子、対子のいずれかを構成していることになります。なお、同じ牌4枚が2組あるものも基本集合です。

まとめると、基本集合には以下の6種類があることになります。

  • 順子
  • 刻子
  • 対子
  • 暗順子
  • 暗刻子
  • 同じ牌4枚

そして、この基本集合のみで定義されている役を基本役と呼ぶことにします。

具体的に言えば、対々和は刻子4組という基本集合のみで定義されていますから、基本役です。七対子は対子7組という基本集合のみで定義されていますから、基本役です。一盃口は基本役ではありません。なぜなら、同じ・・順子・・2組と定義されているからです。

ここまでくれば、最初の問いに対する答えは分かったかと思います。

綾目麻雀では基本役を系列の「基本」であるとします。系列の「基本」を言い換えて、基本系列という分類にします。

以下がまとめです。

基本集合

基本集合とは、次に掲げる6種類のうちある1種類が1組以上集まったものである。

・順子
・刻子
・対子
・暗順子
・暗刻子
・同じ牌4枚

基本役

基本役とは、基本集合のみで定義される役である。

基本系列

基本系列とは、基本役の系列である。

全体系列

2つ目に挙げる系列として、全体系列があります。

基本系列の定義から察せるかと思いますが、全体系列は全体役と関係があります。ただし、全体役すべてが全体系列というわけではありません。

例外が、七対子です。七対子はすべての牌が役と関係しているため全体役ですが、基本役でもあります。

ある役は必ず1つの系列だけに分類されます。

七対子は全体役よりは、対子が7つ集まった基本役だとみる方が自然でしょう。また、門前清自摸和も全体役ですが、全体系列には含まれないものとします。そこで、全体系列は全体役から七対子と門前清自摸和を除いたものします。後述の包括的な書き方に合わせるため、定義では状況役と基本役を除いたものと書きます。

全体系列

全体系列とは、全体役から状況役と基本役を除いた系列である。

隣接系列

系列の3つ目として、隣接系列を定義します。基本系列を定義する前に基本役を定義したのとと同じように、新たに隣接役を定義します。

隣接役

隣接役とは、役に関係するすべての牌が、数字が0以上ずつ連続してずれた面子を構成する役である。

ちょっと難しい定義ですね。

まず、定義からすべての牌が数牌でなければならないため、これは必ず数牌役になります。

具体例として、順子で役に関係するすべての牌が、数字が3ずつ連続してずれた面子を構成する役は、一色通貫と三色通貫になります。順子で2または1ずつずれたものは、一色三歩、一色四歩、三色歩です。順子で0ずつずれた、すなわちずれていない場合の役は、一盃口、二盃口、一色三同順、一色四同順、三色同順です。二盃口はすべての牌が同じ「連続」というわけではありませんが、連続がすべて同じ連なり方である必要性は求めていませんので、隣接役です。

隣接役が定まれば隣接系列の定義は簡単です。

隣接系列

隣接系列とは、隣接役の系列である。

字牌系列

4つ目は字牌系列です。

名前から推測すると字牌役の系列ですが、全体役を除くと定義しています。

字牌系列

字牌系列とは、字牌役から全体役を除いた系列である。

理由は、字牌役である字一色は全体役であり、上位役・下位役を考えると全体系列に分類した方が自然だと考えるためです。字一色は役牌の上位役であり、また、混一色の上位役に近い関係の役です。字一色は混一色の上位役だとは言えませんが、いわゆる「染め手」の広義的な解釈に当てはまることを考えれば、字一色は字牌系列ではなく全体系列のほうが妥当でしょう。

さて、これまでで、手役はすべて分類できたことになります。なぜなら、手役から基本系列と全体系列を除いた役は、必ず隣接系列か字牌系列のどちらかに分類することができるからです。

行為系列

手役が定まれば残るは状況役です。

状況役は行為役または偶然役です。

行為役に分類される役は「門前清自摸和」「立直」「ダブル立直」の3つだけです。何が行為役か、という質問に対しては、分類上の他の役との関係性をいろいろと考えていった結果としてこの3つになったというのが一応用意した答えです。ダブル立直は立直の上位役であるから、当然立直と同じ行為役と考えます。

3つだけなので、安直ではありますが、次のように行為役を定義します。

行為役

行為役とは、次に掲げる役である。

・門前清自摸和
・立直
・ダブル立直

では行為役が行為系列に分類されるのかというとそうではありません。ダブル立直は行為役でも偶然役でもあり、偶然役としての意味合いの方が大きいと考えられるからです。

行為系列は行為役からダブル立直を除いたものと定めています。例に倣って、定義は次のようになります。

行為系列

行為系列とは、行為役から偶然役を除いた系列である。

偶然系列

今までに分類されなかった役は、すべて偶然役です。

状況役から門前清自摸和と立直を除いた役は偶然役であり、綾目麻雀における偶然役と一致します。

よって、偶然系列は状況役や行為役の言葉を用いることなく、次のように簡単に説明できます。

偶然系列

偶然系列とは、偶然役の系列である。

偶然役とは何か、について定義自体が曖昧なところがありました。ここで偶然系列の意味が定まった所から、事実上の定義として偶然系列の見方を変え、「偶然役は、偶然系列以外の系列に分類されなかった役である」とも言えます。

なお、綾目麻雀競技ルールでは偶然系列は採用されません。したがって、競技ルールでの系列の数は5つです。

なぜ「系列」か

なぜ「系列」で分類されるのか、疑問に思ったかもしれません。○○役や○○系(染め手系、チャンタ系等)といった分類でも十分そうです。

しかしながら、○○役や○○系では、よく知られているがゆえに、ある人が思う意味と綾目麻雀で定めた意味が異なる可能性があります。

「系列」という言い方をすればそれらとは明確に区別できるのです。

そこで、綾目麻雀では「系列」という言葉を用いて誤解を防ぐようにしています。

綾目麻雀の系列と役の分類に関する命題

これまでの定義と綾目麻雀の役から、以下の当たり前のことを導くことができます。

  • 綾目麻雀の役ならばいずれか一つの系列に分類される。
  • 基本系列ならば手役である。
  • 隣接系列ならば手役である。
  • 字牌系列ならば手役である。
  • 行為系列ならば状況役である。
  • 偶然系列ならば状況役である。
  • 基本系列ならば基本役である。逆も真。
  • 隣接系列ならば隣接役である。逆も真。
  • 偶然系列ならば偶然役である。逆も真。
  • 全体系列ならば全体役である。
  • 隣接系列ならば部分役である。
  • 字牌系列ならば部分役である。
  • 行為系列ならば部分役である。
  • 偶然系列ならば部分役である。
  • 隣接系列ならば順子役または刻子役である。
  • 隣接系列ならば数牌役である。
  • 字牌系列ならば字牌役である。
  • 行為系列ならば門前役である。
  • 隣接系列ならば非門前役である。
  • 字牌系列ならば非門前役である。
  • 隣接系列ならば一色役または三色役である。

なお、「逆も真。」と書かれていないものは、その命題の逆は偽です。

誤解しそうな点についてもまとめておきます。

  • 命題「基本系列ならば部分役である。」は偽である。反例:七対子(全体役)
  • 命題「字牌系列ならば刻子役である。」は偽である。反例:小三元(雀頭は対子)
  • 命題「字牌役ならば字牌系列である。」は偽である。反例:字一色(字牌役だが全体系列に分類 )
  • 命題「全体役ならば全体系列である。」は偽である。反例:七対子(全体役だが基本系列に分類)
  • 命題「全体系列ならば非門前役である。」は偽である。反例:九連宝灯(門前役)
  • 命題「全体系列ならば手役である。」は偽である。反例:門前清自摸和(行為役)
  • 命題「行為役ならば行為系列である。」は偽である。反例:ダブル立直(行為役だが偶然系列に分類)

系列判定フローチャートと分類表

綾目麻雀の系列はすべて次のフローチャートで判定できます。

系列判定フローチャート

どの系列も「○○役かどうか?」に答えていけばよいのです。

そしてお待ちかねの分類表です。

系列
基本系列 三刻子、対々和、七対子、四暗順、二暗刻、三暗刻、四暗刻、四帰一
全体系列 五門斉、混一色、清一色、字一色、緑一色、断幺九、混全帯幺九、清全帯幺九、混老頭、清老頭、国士無双、九連宝灯
隣接系列 一盃口、二盃口、一色三同順、一色四同順、三色同順、一色三歩、一色四歩、三色歩、一色通貫、三色通貫、三色同刻、一色三連刻、一色四連刻、三色連刻
字牌系列 役牌、小三元、大三元、三風刻、四喜和
行為系列 門前清自摸和、立直
偶然系列 海底自摸和、海底栄和、天和、地和、人和、一発、ダブル立直
翻数役名読み系列現代麻雀に対する
追加/昇格/降格
0.5四暗順スーアンシュン基本追加
0.5三刻子サンコーツ基本追加
0.5二暗刻リャンアンコー基本追加
0.5四帰一スークーイー基本追加
0.5二色同順ニショクドージュン隣接追加
1断幺九タンヤオチュー全体
1一色二同順イッショクニドージュン隣接
1三色歩サンショクホ隣接追加
1二色同刻ニショクドーコー隣接追加
1隣々和リンリンホー隣接追加
1役牌ヤクハイ字牌
1門前清自摸和メンゼンチンツモホー行為
1立直リーチ行為
1海底自摸和ハイテーツモホー偶然
1海底栄和ハイテーロンホー偶然
1一発イッパツ偶然
2対々和トイトイホー基本
2七対子チートイツ基本
2五門斉ウーメンサイ全体追加
2混一色ホンイーソー全体降格
2混全帯幺九ホンチャンタイヤオチュー全体
2三色通貫サンショクツーカン隣接追加
2一色三歩イッショクサンポ隣接追加
2三色同順サンショクドージュン隣接
2鏡和キャンホー隣接追加
2ダブル立直ダブルリーチ偶然
3三暗刻サンアンコー基本昇格
3清全帯幺九チンチャンタイヤオチュー全体
3一色通貫イッショクツーカン隣接
3三色連刻サンショクレンコー隣接追加
3清一色チンイーソー全体降格
4一色三同順イッショクサンドージュン隣接追加
4一色三連刻イッショクサンレンコー隣接追加
4三色同刻サンショクドーコー隣接昇格2
4三風刻サンプーコー字牌追加
6一色四歩イッショクヨンホ隣接追加
6小三元ショウサンゲン字牌昇格2
役満四暗刻スーアンコー基本
役満字一色ツーイーソー全体
役満緑一色リューイーソー全体
役満国士無双コクシムソー全体
役満九連宝灯チューレンポートー全体
役満一色四同順イッショクヨンドージュン隣接追加
役満一色四連刻イッショクスーレンコー隣接追加
役満大三元ダイサンゲン字牌
役満四喜和スーシーホー字牌
役満天和テンホー偶然
役満地和チーホー偶然
役満人和レンホー偶然追加

48役、きっちりと分類できました。